ベンチプレス、何kgから始める?初心者が見栄を張らずに重量を決める方法

左右に黒いプレートをつけたバーベルとベンチが置かれた、人物のいない明るいジム(AI生成イメージ) 筋トレ

「ベンチプレスを始めたい。でも、何kgならいいんだろう?」

ジムで周りの人が重いバーベルを挙げていると、軽い重量では恥ずかしいと感じるかもしれません。

僕も、見栄を張って重量を増やしていた一人です。バーを胸まで下ろしていないのに、挙げた数字ばかりを追いかけていたことがありました。

これから始めるあなたには、重さと一緒に「どんなフォームで挙げたか」も大切にしてほしい。

この記事では、僕の経験と研究をもとに、ベンチプレスの開始重量、基本フォーム、重量を増やす目安を整理します。

負荷と筋肉の成長・筋力の関係は、Carvalhoらのメタ解析(2022年)を参考にしています。成長に合わせた負荷の調整については、ACSMの指針(2026年)も参照しています。

ベンチプレスは何kgから?まずはバーだけで確認しよう

僕が提案したいのは、20kgのバーを無理なく扱えるなら、まずはバーだけで練習するという始め方です。

ただし、ジムにあるバーがすべて20kgとは限りません。15kgや、技術練習用の軽いバーもあります。見た目だけで判断せず、重さと用途をスタッフに確認しましょう。バーの重量の例:Eleiko公式

20kgが重いと感じるなら、軽いバーや別の器具で動きを教わって構いません。最初に扱う重量は、あなたの価値を決める数字ではありません。

逆に、バーだけでは余裕があっても、初日は急いで限界重量を探す必要はありません。まずは下ろす位置や体の安定を確認し、指導を受けながら少しずつ調整しましょう。

「何kg」は、バーとプレートを合わせた総重量

この記事の重量は、バー+左右のプレートの合計です。

例えば、20kgのバーに左右1.25kgずつつけると、総重量は22.5kgになります。

バー左のプレート右のプレート総重量
20kgなしなし20kg
20kg1.25kg1.25kg22.5kg
20kg2.5kg2.5kg25kg

左右の重さをそろえ、プレートを使う場合は固定方法も確認しましょう。

僕は40kgから。胸まで下ろさず、重量を増やしていた

僕は40kgから練習を始めました。

1セットでも10回できたら、左右に1.25kgずつ追加して、総重量を2.5kg増やしていました。

40kg → 42.5kg → 45kg

こんなふうに数字が伸びると、うれしくなります。

ただ、見栄を張って、バーを胸まで下ろしていないのに重量を増やしていたこともあります。

今、初心者のあなたに伝えたいのは、動きが小さくなっていないか、反動に頼っていないかも確認しようということです。

僕が40kgから始めたからといって、あなたも40kgで始める必要はありません。また、僕の「1セットできたら増量」という進め方を、そのまま全員に勧めるつもりもありません。

ベンチプレスの基本フォームを画像で覚えよう

最初は、ジムのスタッフや指導者に見てもらいながら練習しましょう。セーフティは、失敗したときにバーが体へ落ちないよう、実際の姿勢に合わせて設定してもらってください。

ベンチプレスを横から見た基本動作。上はバーを支え、下は胸へ下ろした位置(AI生成の模式図)

図はAIで生成した基本動作のイメージです。手元の丸は、横から見たバーベルの端を表しています。握り幅やセーフティの具体的な設定は、実際の器具で確認してください。

① 体を安定させる

頭・上背部・お尻をベンチに置き、両足を床につけます。重さを押し上げる前に、体を安定させましょう。

② 親指も巻きつけて握る

左右均等に握り、親指もバーに巻きつけます。握り幅は、下ろしたときに手首と肘がそろう位置を指導者と確認してください。

③ 肩の上でバーを支える〈図の上〉

ラックから外したら、肩の上でバーを安定させます。手首を大きく反らさないようにしましょう。

④ ゆっくり胸へ下ろす〈図の下〉

痛みのない範囲でコントロールして下ろし、胸に軽く触れる位置を基本として練習します。

胸でバーを跳ね返さないこと。 肩などに痛みが出る場合は、無理に胸まで下ろさず、動きや重量を確認してもらってください。

⑤ 体を安定させたまま押し戻す

お尻を浮かせず、肩の上の位置へ押し戻します。

基本動作と補助の参考:NSCA『Basics of Strength and Conditioning Manual』28〜30、53〜54ページ

胸板を厚くするなら、何回がベスト?

「10回が最も筋肉を大きくする」と、論文で決まっているわけではありません。

筋肉が大きくなることを「筋肥大」と呼びます。

2022年のメタ解析では、トレーニングの総負荷量(重量×回数×セット数)をそろえて比較したところ、筋肉の大きさの変化に、負荷の違いによる明確な差が認められませんでした。一方、1回だけ挙げられる最大重量の伸びは、重い負荷が有利でした。

目標研究から分かること
胸板を厚くしたい幅広い負荷で筋肥大が期待できる
最大重量を伸ばしたい重い負荷を使う練習が有利

ただし、「軽い重量を楽に10回動かすだけで、どんな練習も同じ効果」という意味ではありません。取り組む強度やセット数、継続も関わります。Carvalhoら、2022年

初心者は8〜12回を目安に、10回を一つの基準にする

従来のACSM指針では、初心者の負荷設定に8〜12回が限界となる重量の範囲が示されていました。ACSM・2009年の指針

この記事では、フォームを覚えた後の練習を整理するために、8〜12回を目安とし、10回を一つの基準にします。

初日から限界まで試すという意味ではありません。2026年のACSMの研究整理でも、毎セット挙がらなくなるまで行うことの優位性は、一貫して確認されていません。ACSM・2026年の指針

重量を増やすタイミングは「10回+フォーム+余裕」

この記事での増量の目安は、予定したセットを通して10回を安定してでき、フォームを保ったまま少し余裕があることです。

例えば、後で紹介する2セットの練習例なら、1セット目だけでなく、2セット目も10回を安定してできたかを確認します。1セット目が10回でも、2セット目で動きが大きく崩れるなら、まだ増量を急がなくて構いません。

次の点を確認しましょう。

  • 最後まで、同じ範囲でバーを下ろせている。
  • 胸で跳ね返したり、お尻を浮かせたりしていない。
  • 補助者に持ち上げてもらった回数を含めていない。
  • 痛みがなく、後半のセットでも大きく動きが崩れていない。

10回目がギリギリで動きも崩れたなら、増量を急がなくて大丈夫です。同じ重量で、安定してできるようになることも進歩です。

重量を増やす前に確認する流れ
  1. STEP 1動きを確認
  2. STEP 2同じ重量で練習
  3. STEP 3予定したセットで10回を安定してできる
  4. STEP 4次の練習で小さく増量を検討
  5. STEP 5もう一度、動きを確認

初めのうちは、その日の調子で次々に増やすより、記録を見て次回の重量を考えてみましょう。

合計2.5kg増やす方法は、僕の実例

僕は合計2.5kgずつ増やしていましたが、どんな重量でも同じ増量幅が合うとは限りません。

例えば、20kgから22.5kgへの増量は12.5%増。40kgから42.5kgなら6.25%増です。同じ2.5kgでも、元の重量によって変化の大きさは違います。

小さいプレートがあるかも含めてスタッフに相談し、増量後にフォームが崩れるなら元に戻しましょう。

バーを胸まで下ろさず、重量だけ増やしてもいい?

僕がやってしまったように、重さを増やすために動きをどんどん小さくしているなら、一度見直してほしいです。

ベンチプレス経験のある男性50人を対象とした10週間の研究では、広い可動域で練習した群が、狭い可動域の群より、複数の可動域で測った筋力などの改善に優れた結果を示しました。Martínez-Cavaら、2022年

ただし、この研究は大胸筋の大きさを直接測っていません。 「胸まで下ろせば必ず胸が大きくなる」とは言い切れません。

この記事で伝えたいのは、毎回なるべく同じ動きで練習し、重さと可動域を一緒に確認することです。

痛みがあるのに無理に深く下ろす必要はありません。自分に合った動きを指導者と確認しましょう。

初日はフォームを覚える。慣れたら練習量を決めよう

初日の進め方

  1. スタッフに基本を教わる
    バーの重量、握り方、セーフティ、ラックへの戻し方を確認します。
  2. 無理なく扱えるバーで動きを練習する
    20kgを扱えるならバーだけから。重ければ軽い器具を使います。初日は「10回やり切る」より、安定した動きを優先しましょう。
  3. できた内容を記録する
    最大重量を探すより、どの重さなら動きを保てたかを残します。

フォームを覚えた後の練習例

基本動作を確認できたら、次のような少量の練習から始める方法があります。ウォームアップは、下の本セットとは別に行います。

項目始めるときの例
重量フォームを保って繰り返せる重さ
回数1セット8〜12回を目安に、まずは10回を基準にする
セット数2セットから
セット間の休憩2〜3分を目安に、次も安定してできるまで休む
頻度週2回から。例えば月曜・木曜

8〜12回を目指していても、途中で動きが崩れたり痛みが出たりしたら、数字を埋めるために続ける必要はありません。

ACSMの2026年の指針は、健康な成人に主要な筋肉を使う筋トレを週2回以上行うことを勧め、セット数についても少なくとも2セットを提案しています。ACSM・2026年の指針

休憩については、2024年のメタ解析で、60秒以下より長く休む方が筋肉の成長にわずかに有利な可能性が示されました。ただし、研究は9件で結果のばらつきもあり、特定の分数が最善と決まったわけではありません。この記事の「2〜3分」は、次のセットの動きを保つための実践上の目安です。Singerら、2024年

これは練習を始めるための例です。慣れてきたら、体の反応や他の種目も含めて練習量を調整しましょう。ベンチプレスだけに偏らず、背中や脚などのメニューもスタッフに相談してみてください。

記録表で、次回の重量を考えよう

以下は、フォームを覚えた後の架空の記録例です。

練習日総重量1セット目2セット目次回の判断
1週目・月曜20kg10回8回同じ重量で練習
1週目・木曜20kg10回10回フォームが安定し、余裕もあるので小さな増量を検討
2週目・月曜22.5kg9回8回動きは安定。同じ重量で回数を伸ばす

22.5kgの行は、増量後もフォームを保てた場合の例です。2.5kg増が大きすぎる場合は、小さい増量幅や同じ重量での練習を選びます。

回数の横には、「胸へゆっくり下ろせた」「最後の一回でお尻が浮いた」など、動きのメモも残しましょう。

前回より安定した。同じ重量で一回多くできた。 そんな変化も、成長の記録です。

まとめ|見栄より、同じフォームでできた一回を大切に

ベンチプレスの開始重量に、全員共通の正解はありません。

20kgのバーを無理なく扱えるなら、まずはバーだけで動きを確認する。 重いなら軽い器具で練習する。そこから始めましょう。

フォームを覚えたら、まずは8〜12回×2セット、週2回のような少量の練習から。休憩を取り、2セットとも10回を安定してできて余裕が出てきたら、小さく増量を検討します。

僕は40kgから練習し、1セットでも10回できたら合計2.5kg増やしていました。でも、胸まで下ろさないまま重量を追った経験もあります。

あなたには、数字が増えた喜びと、動きが上達した喜びの両方を感じてほしい。

最初に目指すのは、周りの人と同じ重量ではありません。自分に合った重さで、一回の動きを覚えることです。

参考資料

アイキャッチとフォーム図はAIで生成したイメージです。フォーム図は個別の器具設定や動作指導に代わるものではありません。

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